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「岸辺」
2013/紙,アニメーション,印刷
「亡くなった日は、その人が住んでいた家の屋根にいるから、そっとしておいてね」
幼い頃、近所の家で葬儀を行う家を見ていた私にこう祖母から教えてもらったことがある。
他人の葬儀を眺める子供を説得させるための言葉だったかもしれないが、その頃「死んだら一回屋根に行くのか」と子供なりに思っていたことを覚えている。
そのことを思い出したのは、一人暮らしを始めたアパートの屋上(屋根)に何故か砂利が敷きつめられていたのを見て、
「砂利かあ」と思ったことがきっかけだ。
死んだ後に屋根にいて何をしているんだろうという疑問が、時間を経てぽっと浮かぶ。
こうして私は生きながらに臨死体験として屋根に居着いてみようと思い、写し取ってみる事にした。
砂利に紙を手や足で押し付けて、凸凹を写し取って束ねていったところは押し当てた跡がグリット状に残り、その紙の束を映像に変換した。
「岸辺」展示風景
2013年ATLAS/東京藝術大学取手校舎にて
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