地元の神社「五社神社」のご神木の銀杏の木が紅葉していた時だった。

暗い神社の中にそこだけキラキラと黄色に輝く小さな山ができていた。銀杏の落ち葉を両腕いっぱいに抱きしめると夕日で温められてほのかに暖かくいい匂いがした。「抱きしめる」を形にしてみようと思った。

その落ち葉を一枚ずつ複写しアニメーションにすると、抱いた腕の中には渡鳥のようにはためく小さな息吹があった。