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「unnecessary」
2011/鉛筆、廃材
鉛筆デッサンをするとき、質感や重力を意識していたのを覚えている。
どこから光が来て、これは柔らかいのか固いのか、それは重いのか軽いのか。その全てを鉛筆によってコントロールしていた。
普段生活する中で、「あってもなくてもいいもの」にどのくらい囲まれているのだろう。
生活する上で必要最低限、必要なものだけを揃え始まった生活空間に、なくてもいいものが増えるのはなぜだろう。
特別お気に入り、というわけでもない。まずそのもの自体の存在が認知されないような、ただそこにずっとおざなりにされたもの。
「捨てる」までにたどり着かない、「なんとなくある」その存在とは一体何か。
それはまるで重力が狂ったような、愛着と惰性に満ちているような。
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